2024年01月19日
PERFECT DAYS
嫁さんに誘われて映画館に足を運んだんですが、久しぶりに素晴らしい映画に出会いました。
PERFECT DAYS
です。
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。
特に奇をてらったことはない、インテリジェンスは高い方だけれど、トイレ掃除を黙々とこなす、やや変人とも呼べる真面目な中年男性の日常を繰り返し描いていくのですが、そのルーチンとも呼べる繰り返しの中でも少しの変化があり、主人公の生活を彩ります。
この映画の凄いところは役者に多くを語らせずに、視聴者にそのバックグラウンドを想像させるように仕向けていることです。フルネームの登場人物は誰一人いません。
日本には短歌や俳句など言葉の周囲や裏に隠されている表現を楽しむ文化があります。小説でも多くは語らず、行間を読ませるという手法を大切にいます。
ビム・ベンダース監督はそれをよくご存じなのでしょうか、まるで短歌や俳句などを楽しむように映画でもあえて説明せずに淡々と移りゆく画像から視聴者が何かを感じ取る、想像を飛ばしているという手法のような気がします。
ラストシーンは圧巻でした。
これを説明するとネタバレになりますので、あえて言いませんが、これが国際的な評価を高めた重要なシーンでしょう。
近年の映画の派手さも何もない映画ですが、見終わった後に何か大きな何かを感じると思います。
オススメの映画です。
PERFECT DAYS
です。
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。
(映画.comから)
特に奇をてらったことはない、インテリジェンスは高い方だけれど、トイレ掃除を黙々とこなす、やや変人とも呼べる真面目な中年男性の日常を繰り返し描いていくのですが、そのルーチンとも呼べる繰り返しの中でも少しの変化があり、主人公の生活を彩ります。
この映画の凄いところは役者に多くを語らせずに、視聴者にそのバックグラウンドを想像させるように仕向けていることです。フルネームの登場人物は誰一人いません。
日本には短歌や俳句など言葉の周囲や裏に隠されている表現を楽しむ文化があります。小説でも多くは語らず、行間を読ませるという手法を大切にいます。
ビム・ベンダース監督はそれをよくご存じなのでしょうか、まるで短歌や俳句などを楽しむように映画でもあえて説明せずに淡々と移りゆく画像から視聴者が何かを感じ取る、想像を飛ばしているという手法のような気がします。
ラストシーンは圧巻でした。
これを説明するとネタバレになりますので、あえて言いませんが、これが国際的な評価を高めた重要なシーンでしょう。
近年の映画の派手さも何もない映画ですが、見終わった後に何か大きな何かを感じると思います。
オススメの映画です。
Posted by ミーヤン at 08:12│Comments(0)
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