インド釈尊五大聖地巡拝の旅 part6

ミーヤン

2019年12月06日 10:13

インド釈尊五大聖地巡拝の旅 part6 これで最終です。




<7日目 11月26日>


4:45の早朝から起床。

ガンジス川のクルーズのために、バス移動。


バスを降りてから、しばらく歩いてガンジス川の船着き場に向かいます。


早朝から船着き場近くでは沐浴している人を多く見かけます。



沐浴って、身体だけを清めるのかと思っていましたが、頭のてっぺんまで潜ってしまうんですね。
怖がって、泣きじゃくる女児がいましたが、両親がなだめながら沐浴している姿が見られました。
なだめながら、いきなり頭の先までドブーンですから、怖いのも当たり前です。






この日のガンジス川は一面朝靄が立ちこめて、前が見えない状況です。

加藤管主曰く、20回ほどガンジス川を訪れているけれど、こんなことは初めてだとのこと。

運が良いのか悪いのか...



船縁に行商の小舟が接舷して、物を売ろうとします。

その一艘に活け魚を売っている人がいました。聞くとガンジス川に放流する魚だそうな。

ガンジス川に恵みの恩返しをするため、バケツ1杯を購入。放流しました。


1杯800ルピーは高いかなと思いましたが、放流して良かったです。


我々の班には、法要の式衆の1人がいましたので、船の上で法要することに。
法要の終了と、接岸がほぼ同じになったのには驚きました。





接岸後、街角の店でチャイを頂きました。


衛生的とはいえないですが、本当に美味しかったです。
インドでは食後はコーヒーではなくチャイを飲んでいましたね。

じっくりと入れ方を見て、お土産に購入したマサラ・ティで自宅でも実践してみるつもり。






ホテルに戻って、最後の朝食を摂り、お釈迦様が初転法輪(説法)を行われたサールナートにバスで移動。





サールナートはヒンズー教徒の聖地ベナレスの北約10kmにある、お釈迦様初転法輪の聖地です。
お釈迦様が説法をされることを法の輪を転じられることから「転法輪」といい、初めて説法をされた聖地であるので「初転法輪」の聖地といわれています。

この地はベナレス近郊にあった鹿の住む静かな林で、元来、ヒンズー教でいう四住期の「遊行期」を迎えた人々が住んでいたところであり、ブダガヤでお釈迦様といっしょに苦行生活を送っていた5人の仲間は、乳粥の供養を受けたお釈迦様の元を去って、この地で修行をしていました。
真理を得られたお釈迦様は、最初に誰に真実を語ればよいか逡巡された後に、この地で修行している5人が適当であろうとこの地を訪ね、最初に説法をされました。

お釈迦様の説法を聞いた5人はそれぞれに法灯を灯してお釈迦様の弟子になられました。
ここはまさに「仏」と「法」、「僧」の三宝が整った聖地であり、仏教教団が誕生した聖地です。

ちなみに、鹿の林であったことからサールナートは「鹿野苑」ともいわれます。
トラベルサライのHPより




転法輪って難しいですよね。

加藤管主の説明では、水面に石を投げ入れると波紋は起こり、周囲に広がっていく、その様に例えられました。
なるほど、お釈迦様の教えは波紋のように周囲に広がっていったのですね。

スジャータの供養をお受けになったお釈迦様を見限ってベナレスに帰った5人衆は、再びお釈迦様の転法輪に接し、お釈迦様が成道されたことに気がつきます。
ただ、お釈迦様の教えを十分に理解できずに、帰りの途につきます。その道すがら、“釈迦は縁起の法則を悟った”を口ずさんで歩いていたところ、ある行者に声をかけられます。その悟りを開いたのは誰か?どこにいるのか?と聞かれ、お釈迦様の居所を教えます。
その行者の名はシャーリプトラ(舎利弗)。
シャーリプトラは親友であるモードガリヤーヤナ(目連)とともに、お釈迦様の元を訪れ、その説法を受け、弟子となります。
シャーリプトラはある意味天才で、お釈迦様の教えをたちどころに理解します。

般若心経に出てくる“舎利子”こそ、このシャーリプトラ(舎利弗)のことです。

”観自在菩薩・行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識・亦復如是。舎利子。~”






初転法輪の地であるサールナートでは、まずはダメーク塔を訪れました。




遺跡の南東角に位置する高さ34mのダメーク大塔は印象的です。
ダメーク大塔は5世紀に栄えたグプタ王朝時代の大仏塔だとされ、この地でお釈迦様が五人の修行仲間に初めて説法をされた場所だとされています。
現在は上部の伏鉢部分が崩れていますが、鼓胴部には卍や唐草文様が残っています。
トラベルサライのHPより




ダメーク塔の前で今回の旅の最後の法要を行いました。

加藤管主の分かりやすく、面白く、心に響くお話を聞くことが出来たのは幸せです。









今回の旅はいろいろな人と知り合い、ご縁を結ばさせて頂きました。それが何よりも大切です。


ダメーク塔の前で、嫁さんと村上さんのツーショット

村上さんは今回の法要の旅の式衆のお1人で、薬師寺の在家僧侶の組織の上に立つ指導者です。そのような方と知り合いになれるのが、今回の旅なんです。





最後に加藤管主から、今回の法要の旅のスタッフの再紹介とねぎらいに言葉がありました。

薬師寺の皆さん、トラベルサライの皆さん、現地案内人の皆さん、本当に有り難うございます m(_ _)m
皆さんのおかげで本当に素晴らしい貴重な体験をさせて頂きました。

加藤管主が仰るように、本や写真、ビデオで見るよりも、現地に行って、その地の空気、匂い、光などいろいろなことを直接感じることが大切なんですね。

また、加藤管主を始め、薬師寺のお坊さん達は本当に気安い方ばかりで、我々のところまで下りてきて、仏法の難しい話を分かりやすく説明してくださいます。ここまで一般人の近くにいらっしゃるお坊さん達も珍しいと思います。







次に、サールナート州立博物館に移動。



サールナート遺跡の入り口の南側にあるのが州立博物館です。
規模はさして大きくありませんが、この地より出土した貴重な彫刻群が保存されており、必見の博物館です。
中でも注目に値するのは、入り口正面に展示されている「四頭獅子像」です。
紀元前3世紀にインドを統一したマウリア王朝アショーカ王は、インドを統一する際、鬼のアショーカといわれる程に強権政治を行っていましたが、統一を成しえた後、仏教を保護すると共に、宗教を拠り所とした善政をひきました。
武力によらず和をもって統治をした偉大な最初の王であることから、この四頭獅子像はインド国の国章となっています。
また、入り口左手のブロックに仏教にゆかりのある彫像を展示しており、1世紀の仏立像をはじめ、インドでも精緻で美しいと賞賛される釈尊初転法輪像が展示されています。
仏教美術が全盛を極めたといわれるグプタ王朝の最高傑作のひとつで、柔和なお顔立ちに加え、柔らかい曲線美など、当時の彫刻家の技術の高さを思わずにはいられません。
鼻と指の一部が欠けているだけで、いつまでもその場を離れたくない美しさです。
トラベルサライのHPより



四頭獅子像


釈尊初転法輪像


右から見ると、微笑み、左から見ると思案の表情となる美しい彫像


それぞれの展示品を十分に堪能させて頂きました。




帰国してから知ったのですが、この博物館内は撮影禁止とのこと。

申し訳ありません...







博物館の前で、今回大変お世話になった、現地案内人のアニールさんと記念撮影






最後に訪れたのが、シルク工場


ベナレスは上質なシルク製品を扱う都市で、そのなかでもお勧めの工場の見学です。


日本の絹織物とはやや手法が違う折り方ですが、素晴らしい緻密な絹織物が出来てきます。


この大きさの織物なら、1日で3㎝しか織れないそうです。


聖地巡拝の旅ですから、現地案内人が斡旋してくれた紅茶以外はほとんどお土産らしいものを購入していない小生夫婦ですが、手頃なお値段の1品を注文しました。


お釈迦様のお姿の絹織物です。





ラマダホテルに戻って、最後の昼食を摂り、ベナレス空港から空路、デリーに向かいます。


インド航空405便



デリー国際空港で、現地案内人達を別れを告げて、空路成田に向かいます。


今回は機内泊。





<8日目 11月27日>


無事に成田に到着。8時間半の空の旅です。


成田に到着したインド航空306便






成田到着後、東京から来られた方々と別れを告げて、小生達は成田から羽田までリムジンバスで移動。



羽田から伊丹まで空路移動。




伊丹空港で、加藤管主を初めとする、薬師寺の方々と別れを告げて、小生夫婦はリムジンバスとJRを使って、帰宅しました。






7泊8日の長かったような短かったような、インド釈尊五大聖地巡拝の旅でした。

加藤管主や現地案内人から、お釈迦様の生涯のこと、遺跡の意味、お釈迦様入滅後の話、お釈迦様が説法されたことなど、詳しく優しく教えていただき、日頃から知ることがないことを沢山知ることが出来ました。


薬師寺の方々や薬師寺と結縁さえている人たちとも知り合いになれ、ご縁を深める素晴らしい旅になったことには間違いありません。





このツアーに参加を決めたときに、同僚の女医から、“インドには期待しない方が良いですよ、良い思い出がないから”と言われてしまいましたが、発展途上国ですから、先進諸国のような洗練されたサービスなどは期待できないのは当たり前なので、観光旅行としては、お勧めは出来ません。
でも、今回はお釈迦様の聖地巡礼の旅です。観光旅行とは違い、法要三昧の日々で、観光としては7日目の博物館とシルク工場だけですから、少々のことは全く気にならず、本当に有意義な旅でした。
もし、今後機会あれば、是非とも参加したいです。



 摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是 舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中 無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界乃至無意識界 無無明亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罜礙 無罜礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰 羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 般若心経

   かたよらないこころ
   こだわらないこころ
   とらわれないこころ
   ひろく ひろく もっと ひろく
   これが般若心経
   空のこころなり

   願いまつらん この功徳
   よろずの人に みちわたり
   我ら等しく皆とともに
   敬いゆかん 法の道
合掌  





今回の旅の行程






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