皆さん、
湖南三山ってご存じでしょうか。
湖東三山(百済寺、金剛輪寺、 西明寺)は紅葉の
名所としてよく知られていますが、湖南三山というと...
湖南三山は滋賀県湖南市にある、天台宗の3つのお寺のことです。よく知られた湖東三山に
模して、観光キャンペーンを張っていましたが、昨日、その湖南三山のお参りをしてきました。
湖南三山
長寿寺・常楽寺・善水寺のこと。
それぞれの本堂は、かの織田信長に焼き討ちされて、消失してしまった比叡山延暦寺の
根本中堂(現在の根本中堂は徳川三代将軍、徳川家光が再建)を模して建立された由緒
正しきお寺です。その当時の根本中堂の姿が忍ばれるそうです。
まずは
長寿寺からお参り。
高僧良弁が紫香楽宮の鬼門を封じるために創建し、聖武天皇の皇女誕生に七堂伽藍を建立し
長寿寺と名づけたとのこと。
ご本尊は木造子安地蔵菩薩立像(秘仏)。本堂は国宝。その他、需要文化財の丈六阿弥陀妙来
座像を拝見することができます。
ここは、紅葉したモミジが綺麗ですね。少し遅いので落葉しているため、境内の道はモミジの
絨毯になっていましたよ。上を歩くのが惜しいくらい。
次が
常楽寺。
ここも聖武天皇の勅願で高僧良弁が紫香楽宮の鬼門を封じるために創建。
ご本尊は木造千手観音座像(秘仏)。本堂と三重塔が国宝。重要文化財である木造釈迦
如来坐像、木造二十八部衆立像 28躯(うち2躯は1981年に盗難)を拝見できます。
また、本堂と三重塔の裏を囲むような丘に西国三十三札所を模した石仏があり、ぐるりと
回るだけで、三十三札所を巡礼できるようになっています。
ここも紅葉したモミジとお堂のコントラストが素晴らしかったです。
最後が
善水寺。
奈良時代中期に国家鎮護の道場として建立され、和銅寺と称したという。 その後、平安時代の
初期に伝教大師最澄が入山し、延暦寺の別院諸堂を建立。桓武天皇が病気になり、最澄が法力
により霊水を献上したところ、たちどころに回復したことから現在の寺名に改名したとのこと。
ご本尊は、木造薬師如来座像(秘仏)。本堂は国宝。本堂を入ってすぐに、木造金剛二力士
立像が左右に並び荘厳です。
本堂中央にはご本尊を安置している厨子があり、その左右に木造梵天・帝釈天立像。この二天
の前に木造四天王立像。厨子と二天・四天王像の前に木造十二神将立像が並んでいます(いずれ
も重要文化財)。この並びが延暦寺根本中堂の仏様本来の並びだそうです。このお姿を今に残して
いるのはここ善水寺だけだと聞きました。
いまでも、最澄さまが汲んだというお水をペットボトルで持ち帰ることができますよ。
この三山、それぞれに素晴らしいお寺で、格式から言うと湖東三山には全く引けをとりません。
京都からも近いですので、一度お参りに行かれたらいかがでしょうか。