健康寿命って

ミーヤン

2012年12月11日 11:50

 昨日から今日にかけて大雪だったので、バス釣りには出撃できていません。
本当に寒いですわ~。

そこで、Dr.記事第3弾です。



 日本は長寿世界一と言われて久しいですが、最近、平均寿命以外に健康寿命という言葉が
紹介されるようになりました。今回は健康寿命についてご説明しましょう。


健康寿命とは?

  2000年に世界保健機構(WHO)が、“日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる
生存期間”
と定めました。早い話、寝たきりになるまでの寿命ということです。


なぜ最近になって健康寿命?

 日本は医療の発達によって平均寿命は世界一になりました。ところが、人間らしい生活という
意味では健康寿命の方が重要なのです。誰の助けもなく生活できるのが一番ですからね。平均
寿命が世界一になった後は、健康寿命を延ばすことが大切になってきたのです。平均寿命と健
康寿命が同じであることが理想中の理想です。

      生物学的な寿命(平均寿命)≒健康寿命



 極端な話、ある程度高齢まで介護されずに生きてきて、ある日ポックリ死ねたら理想ですよね。
でも、実際は平均寿命と健康寿命の差は広がっているんです


                     男性

                     女性

小生の在所である滋賀県の健康寿命は?

 全国平均で男性70.42歳、女性73.62歳に対し、滋賀県は男性70.67歳で18位、女性は72.37歳
でなんと47位の最下位
。つまり、滋賀県の女性は全国で最も寝たきりになるのが早いということです。

                  これは大問題!!

 どこぞのバカダ知事!国政に色気ばかり出していないで、地元の状況を良く理解してくれ!原発より大問題でしょうに



健康寿命を延ばすにはどうすれば?

 平均寿命を決定する病気に三大疾患というのがありますね。ガン・心臓病・脳卒中です。
それに対して、寝たきりの原因になっている三大疾患があります。寝たきり三大疾患と呼びましょう。
これを予防・治療することが健康寿命を延ばすことにつながります。

 ところが、厚生労働省は平均寿命を延ばすことばかりに注目してきて、三大疾患の撲滅に力を入れています。今でも在宅治療のトピックスはガン末期患者の在宅看取りですからね。寝たきり三大疾患は蚊帳の外ですわ。


寝たきり三大疾患って?

 寝たきりの原因の上位3つで、脳卒中・変形性膝関節症・骨粗鬆症です。

 脳卒中は三大疾患でかなり治療されていますので、これ以上改善の余地は少ないですが、
変形性膝関節症と骨粗鬆症はまだまだ治療はされておらず、治療すればどんどん寝たきりを
防ぐことができま
す。厚生労働省の施策の上でも取り残されている状況です。


 変形性膝関節症は、整形外科の専門医で日常生活の指導・投薬・リハビリ・手術を受ければ、
ほとんど寝たきりの原因にはなりません

 ここに例のサプリメントが横行しているのですよ。サプリメントを使っていると寝たきりになるのを
早めているだけなのに、厚生労働省は全く規制する気はありません



 骨粗鬆症は以前、騒がれたこともありましたが、最近はサッパリ。
患者数は日本全国で1200万人と言われていて、かなりの数になります。

 整形外科か老年内科の専門医で日常生活の指導・食生活の指導・投薬を受ければ、かなりの
患者様が寝たきりを防止できるでしょう


 最近は有効な薬剤は増えてきて、治療効果は高く、海外では確実に寝たきり患者は減っています。
それに注目したオランダなどは、しっかり治療することが医療費の削減になると考えて(実際にそう
いう医療財政をシミュレーションした論文が多数あります)、ビスフォスフォネート製剤という治療薬を
無料配布しているくらいです。



 困ったものです。寝たきり三大疾患を撲滅せずに三大疾患の中でもガンばかりを注目して、健康
寿命を延ばさずに、平均寿命だけを延ばしているのが日本の現状です。

 これでは意図して寝たきりの老人を増やしているだけです。それで医療費や介護費が増えて
財政を圧迫しているなんて言わないで欲しいものですわ。愚の骨頂です。

 平均寿命なんてこれ以上延ばさなくて良いから、健康寿命を延ばすことを真剣に考えなく
てはならない
のが日本の本当の状況なんです。


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